「バスカービル家の犬トレード」はベテランの方でも聞きなれないトレード手法であると思います。
これは、七仙堂推奨図書「投資苑」「投資苑2」においてアレキサンダー・エルダー博士が述べている手法です。
「バスカービル家の犬」とはシャーロックホームズシリーズの名作の一つです。
シャーロックホームズは呼び出されて田舎の屋敷の殺人事件を捜査しました。彼はバスカービル家の犬が殺人が犯されている間、吠えなかったという事実から手がかりを得ました。シャーロックホームズがシグナルを受けたのは、その殺人行為からではなく、予想される行為の欠如からでした。
あるシグナルが機能せずに想定と反対側に値が動いた場合、それはパスカービル家の犬シグナルを出しているのです。
例えば、前述「MACDヒストグラムで短期トレンド転換狙い」 にてMACDヒストグラムを用いた勝率の高いシステムを紹介しました。
この勝率の高いシグナル(ロングのシグナル)が発せられた後、そのシグナルが示す方向とは逆に値が動いた場合、強力なショートのシグナルが示現したと考えるのです。
[トレーディング条件]
・エントリー条件 : MACDヒストグラム(EMA12日・26日、シグナル9日)がマイナス、かつ、MACDヒストグラムがマイナスのピークからプラス方向に転換した場合、翌日にトレード。
前日(シグナル点灯日)の安値を下回った場合(つまり、シグナルの破れが発生)に、ショートエントリー。
・判定 : エントリー後、当日を含む3営業日内に投入元本の10%ドローダウンとなるポイントにて損切り。0.50円以上の益が発生したら勝ち。それ以外は引き分け。
バスカービル家の犬トレード − MACDヒストグラムシグナルの破れ |
[検証対象期間 : 2001年6月18日〜2006年7月28日(1259営業日)−キウィ/円(NZDYEN)]
総トレード数 |
18
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勝ちトレード数 |
13 |
引き分け数 |
0
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勝率(勝ちトレード数/(総トレード数-引き分け数)) |
72.22% |
累積実現利益 |
17.85
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最大連続負け回数 |
2回 |
最大ドローダウン |
-0.73 |
勝ちトレード(引き分け含む)における平均利益(3日間) |
1.62 |
負けトレードにおける平均損失(3日間) |
-0.63 |
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[解説]
回数は非常に少ないものの勝率の高さは特筆すべきものがあります。
勝ちトレードの平均利益が高いことも特徴です。
七仙堂でも、この手法を実際に用いるとしていますが、実はまだこれを利用する場面が訪れていません。
5年間で18回、つまり、3ヶ月に1回程度ですから、これを積極的に狙うというものではありません。
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