「リスク」という言葉について考えてみます。
リスクという言葉は、一般的な投資の世界においては、「損をすること」という意味で用いられています。
そのため、株に比較して、レバレッジを効かせたFXは元本以上の損失が発生する可能性があるために「リスクが高い」という言い方がよくされています。
しかし、この言葉の使い方はおかしいと考えます。前提として損失はコントロールするべきものであると考えるからです。何も考えず「株に比較してFXはリスクが高い」と言うのは、損失をコントロールすることの必要性を無視していることになります。
辞書を引いてみると「リスク」は「予測できない危険」(大辞林)とあります。わたしとしては、この用法が正しいし、この用法で用いるべきであると考えます。
正確に言うなら、リスクとは「自身が決めたストップ水準で約定することができない可能性」です。「損すること」ではありません。
この用法で用いるとした場合、株のほうがFXに比較して非常にリスクが高いと考えます。
株は、日々ギャップダウン、ギャップアップが激しく、場合によっては数日にわたって取引ができないという事態に陥る可能性が高いものです。
株の経験がある人ならわかると思いますが、大きなギャップダウンを誘発する悪材料には枚挙に暇がありません。倒産、下方修正、MSCB、役員・社員の不祥事、リコール、火事等の災害、前日米国市場の大幅安?・・・などなど。
そこまで極端ではないにしても、ちょっと出来高が少なめの銘柄であれば、自分が投げただけで数%分約定値を下げてしまい、自分の想定とはかなり異なる額で売買することは多々あります。
それに比較すればFXは少なくとも数時間ましてや数日も取引ができないという可能性はほぼありません。株に比較すれば想定する通りの水準で売買ができると言えます。
ストップを置き、ほぼその水準で約定することができるのであれば、それはリスク0。某ホリエモンの言葉を借りれば「想定内」です。
ストップを置いたとしても、それ以上に被ってしまう損失。この「想定外」の損失こそがリスクであると考えます。(図1)
図1 真のリスク
損失はコントロールするべきものと考える限り、FXのリスクは小さいと言えるでしょう。
|